木組みの家と石畳の街で暮らしたい
今年の5月にブログを始めたのが酷く遠くに感じる。最後に文章を書いたのは7月のsceneツアーファイナル時に頒布したパンフレットに掲載した、文字数だけは立派なアレ、あのときである。
原本を残していないため何を書いたのかを詳細に思い起こすことは今となっては叶わないが、内容の半分近くをラブライブ!に関する記述で埋めてしまったことだけは鮮明に覚えている。バンドのパンフレットだというのにだ。
思い返せば5月下旬から7月上旬にかけての一月半はツアー(ライブ自体は5本しかやってないけど)とラブライブ!劇場版が同居する身もただれるような熱い期間であり、その季節が過ぎたころ、何か文章をしたためる等のエネルギーを要する作業が不可能だったのは至極当然のことだったのである。
それ以来すっかりブログの存在を失念してしまい、凍えるような寒さに夏が恋しくなっていたとき、筆を置きっ放しにしていたことを思い出した。そして今こうして書き綴っている次第である。
キーボードを叩きながら考える「なぜこんなことをやっているのか」という問題は袋小路に入ってしまった。
このブログは、例えば料理の美味しいお店や暮らしの助けになるような情報を掲載するものではなく、本来は自分の中で折り合いをつけねばならないものを垂れ流すだけの内容だ。誰に頼まれたわけでもないのにそれをやる成人男性というのは、少し俯瞰すれば些か応えるものがある。
しかしながら、考え込んだところで思考は堂々巡りするばかりで、つまるところ役に立たないものは愛するほかはないのだ。
それでもどうしてもやりきれなくなったとき、僕は1つの作品を視聴する。今季絶賛放映中のTVアニメ「ご注文はうさぎですか?」である。
癒し、可愛いといったそんな言葉なんかはとうに飛び越えた、もはや愛だ。見る前に何か特別なことをする必要はなく、身体をモニターの前に投げ出すだけ、ただそれだけでいい。その中毒性は永遠に逃れられないものであり、TVアニメから入った僕のようなにわかでも存分に楽しめる懐の深さは、山より高く海より深い慈愛に満ちている。
日常ともファンタジーともおぼつかない緩すぎる世界観に脳内を液状化させられた後に、遠い遠い、決して行きつくことのできない木組みの家と石畳の街に思いを馳せ、思考を停止して僕は眠りに就くのだ。